評価 ★★☆☆☆
喩えるなら 「行き当たりばったり古代戦争」
2004 アメリカ
「トロイの木馬」で有名なギリシャ神話のトロイア戦争の映画化。主人公はブラッド・ピット演じる勇者アキレス。
トロイア戦争は神話上では長らく神話上のみの存在と思われていたが、考古学者シュリーマンのトロイア遺跡発見により実在の戦争であることが明らかになった。神話上ではギリシャ神話の神々も参加した超ファンタジーな戦争なのだが、この映画ではファンタジー要素は排除され、実在の人物だけが登場するリアルな戦争として描かれる。
正直自分には退屈な映画であった。ギリシャ神話を元に大きくアレンジした人間ドラマが見どころのハズなのだが、その人間ドラマがものすごく稚拙なのだ。自分の国が戦争回避で必死で交渉しているさなか、敵の王妃を寝とって連れ帰って大戦争を引き起こしてしまう、トロイ王子パリスのへっぽこっぷりは脱力感満載だ。勇者アキレスも、戦争に義を感じず乗り気でないといい、もったいぶって後半までほとんど活躍らしい活躍をしない。そのくせ身内の一人が殺された途端に俄然やる気になって暴れ始めるし。。
古代戦争を大スケールで描いた映像美は美しく、とくに決闘のシーンやエーゲ海を戦艦が埋め尽くすシーンとか圧巻なのだが、その戦争の裏にある肝心のドラマがどうにも薄っぺらい感じでつまらない。大ギリシャの行く末を占う大戦争のはずなのに、キャラクターたちが行き当たりばったりで行動している感じがものすごい違和感だ。かなり長く感じた163分だった。